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M&Aの成功事例と失敗事例

M&Aは上場企業・中小企業・個人事業主など、さまざまな規模の企業で行われています。ここでは、実際にどのようなM&Aが行われているか、過去の事例を解説します。

大手企業のM&A成功事例


誰もが知っているような大企業は、さらなる成長のために多くのM&Aを行っています。

 

 

ニデック

ニデックは海外を中心に多くのM&Aを手掛けてきました。業績不振の企業を買収し、素早く経営を立て直す「M&A巧者」とされています。日本企業として早い時期から取り入れ、国内外で70件以上のM&Aを実施しています。

事業構造の転換をM&Aにより進め、現在は「家電・商業・産業用製品」「車載用製品」「その他」の3つの柱を軸に事業を展開しています。過去には三菱重工工作機械やOKK、オムロンオートモーティなどのM&Aを実施しました。

 

楽天グループ

楽天グループはECモールの最大手ですが、ECだけでなくさまざまな事業領域をM&Aによって拡充させてきました。KCカードを運営する国内信販会社を買収し楽天カードへ、イーバンクを子会社化して楽天銀行へ、そして楽天生命も既存の保険会社を買収することで成長しています。

 

ソフトバンクグループ

ソフトバンクグループは通信会社として大きな成長を遂げていますが、その過程では日本テレコム、ボーダフォン、イー・アクセスなどをM&Aで取得し大きくなった背景があります。

 

日本たばこ産業(JT)

JTは本業のたばこ事業を成長させるため、グローバルで同業のM&A(クロスボーダーM&A)を行っています。RJRナビスコの米国たばこ事業の買収により売上が10倍に増加、英国ギャラハーの買収によりさらに売上が倍に成長しました。

 

日本電産

日本電産は、1984(昭和59)年から2018(平成30)年までの34年間で60社に対してM&Aを実施しています。年間1〜2社のM&Aを実施しており、驚くべき数値です。日本電産はM&Aを重要な成長戦略として明確に位置付けている点が特徴です。

 

武田薬品工業

2018年、武田薬品工業は、アイルランドの製薬大手シャイアーとのM&Aで6.2兆円の巨額買収したことが大きなニュースになりました。シャイアーの買収により海外での存在感が向上し、売上高が世界でも上位に入る製薬企業となりました。

 

三井住友海上

三井住友海上は経済成長の著しいASEAN(東南アジア諸国連合)を中心としたアジア市場に狙いを定めて、数千億規模のM&Aを行い、現在も成長中です。ASEAN10カ国で元受事業を行っている唯一の損害保険グループになるなど、保険事業を通じて中長期的な実績を上げています。

 

クラレ

総資産7,000億円のクラレが米炭素材料事業大手のカルゴンカーボンを約1,200億円で買収するとの報道がされました。クラレにとって過去最大規模の買収とのことで、社運を賭けたM&Aであることがわかります。

クラレ、活性炭最大手の米社を1200億円で買収 水処理を強化 - 日本経済新聞

 

日本郵政

日本郵政は2018年に発表した新中期計画で、以後3年間で数千億円を資本提携やM&A、ベンチャー投資に投じると発表しました。そして12月、日本郵政はアフラック・インコーポレーテッドおよびアフラック生命保険との資本業務提携に合意しています。

強い信頼関係を確立してきた日本郵政とアフラック生命は、今回の資本業務提携により、がん保険に関する取り組みの見直しと成長サイクルの実現を目指す目論見です。日本郵政は今後、不動産M&Aも前向きに検討していることを発表しています。

 

サントリーホールディングス

サントリーホールディングスは、2014(平成26)年にジムビームを保有する米蒸留酒最大手ビーム社を1.6兆円で買収しました。当時、大型買収として話題になりましたが、海外企業とのM&Aでも特に成功した事例だといわれています。

当初、サントリーは創業200年の老舗メーカーで、伝統やこだわりが強いビームとの統合がうまくいきませんでした。しかし、ローソン会長だった新浪剛史氏を社長に招き、両社が歩み寄ったことにより世界的なメーカーへと成り上がりました。

 

東芝

経営再建中の東芝ですが、2018年に半導体メモリ子会社の東芝メモリを1.4兆円で売却したとの報道がありました。売却資金をどう使うのか、今後に期待が集まっています。

 

 

大手企業のM&A失敗事例


成功があれば失敗もあります。大企業の場合にはM&Aに費やす額が大きいため、失敗したときの損失額も数百億円から数千億円と桁違いです。

 

 

パナソニック

パナソニックでは、2009(平成21)年に三洋電機をM&Aにより約4,000億円で取得した後に、のれん代の2,500億円を減損処理したことがありました。

(平成21年度:事例7)パナソニック(株)による三洋電機(株)の株式取得

富士通

富士通は、英ICL社をM&Aにより1,800億円で巨額買収した後に、多額の評価損を計上しています。

 

セブン&アイ・ホールディングス

セブン&アイ・ホールディングスは、そごう・西武の株式を累計2,000億円超で取得したものの、その後に約600億円の評価損を計上しています。

 

丸紅

丸紅は、2012(平成24)年に同社過去最高額となる約2,800億円をかけて買収した米穀物メジャーのガビロンについて、2015(平成27)年には、のれん代500億円の減損処理を行っています。

丸紅、米ガビロン買収を発表 2860億円で

中小企業のM&A成功事例


中小企業でもM&Aは盛んに行われています。ここからは中小企業のM&Aの実情を見てみましょう。

 

 

ソフトウエア受託開発事業

ソフトウエア業界はM&Aの活発な業界の1つです。固定資産が少ないこともあり、技術や人材の取り込みがM&Aの主目的のケースもあります。

 

ネイルサロン

ネイルサロンは参入障壁が低く、競争が激しい業界のため、今後はM&Aによる業界の再編が進むと考えられています。

 

英会話教室

イーオンの株式をKDDIがM&Aにより取得するとのニュースがありました。英会話や教育業界全般にM&Aの波が押し寄せてきています。

中小企業のM&A失敗事例


小企業のM&A失敗は、M&Aに関するノウハウの不足、マクロ環境の影響などによるものがあります。

 

 

出版会社

出版業界はデジタル化の波が直撃している影響もあり、M&Aによる再編が進行中です。しかしながら、市場自体が縮小傾向にあるため、再編によるスケールメリットが享受できず、失敗しているケースが多くなっています。

 

温泉旅館

温泉旅館は設備の老朽化、訪問客の減少を背景として売却ニーズが高まっていますが、エリア自体の訪問者が減少していることもあり、成功するケースは少ないです。

 

デイサービス

デイサービスといった中小規模の介護・医療施設のM&Aでは、取引に精通した専門家が少なく、リスクの洗い出しが不十分なことによる失敗が多く見られます。

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